インストラクターからの受験勉強に役立つメッセージ「Inspiring Messages from Instructors」の第二弾をお届けします。医学部・難関大合格のために絶対に得意にしておきたい数学について、岡村インストラクターが語ってくれました。学校で配付される参考書(問題集)の効果的な使い方は、ぜひマネしてみてほしいと思います。
★岡村さんが語ったOSD春の特別セミナー「共通テストデザイン(日々の学習戦略)」の内容の一部を、この記事の最後に紹介します。最後まで読んでみてください!
こんにちは!インストラクターの岡村多恵です。
4月は私がおすすめしたい数学の参考書について紹介します。
私は参考書を買うのが好きだったので、まだ取り組んでいない参考書がたくさんあるのについつい新しい参考書を買ってしまう人でした。しかし”参考書は持っているだけでは何も伸びない”ので、何周も取り組むことが重要です。私みたいに、たくさん買うより1冊を使い倒すことが大切!ということで、私が高校生の皆さんに使い倒してほしい数学参考書を2冊厳選して紹介します。
使い倒したい数学参考書
①青チャート
知らない人はいないのではないかというほど有名な参考書ですね。私の高校では青チャートを使用していましたが、学校によって黄色チャートやフォーカスゴールドを使用している人もいると思います。黄色チャートやフォーカスゴールドでも効果的な使い方などは一緒だと思うのでぜひ読んで下さいね。
- 使用時期
高校1年生〜 - オススメポイント
数学ⅠAⅡBはもちろん数学Ⅲまで、単元の習い始めに解く基礎的な問題から入試レベルの応用問題まで完全に網羅されているのが特徴です。私は正直”基礎から入試まで”というような文言を目にすると「ほんとかよ!1冊で全部できるわけないじゃん!」とツッコみたくなるタイプでしたが、青チャは本当に網羅できます。今年の東大理系数学も青チャレベルだったとか…?! - 効果的な使い方
ここでは私が実際に現役時代に取り組んでいた方法と現役時代を振り返ってこうしておけばよかったと思う方法を織り交ぜて書いていきます。
私は単元ごとのまとまりで勉強していました。ただ私の現役時代は以下の1.2までで力尽きていました…。そのあとの項目は「やらないといけないな」と思っていても現役時代にあまりできていなくて今になって後悔していることです。- 単元を習い終わったら例題(基本,重要,演習)を一通り解いてみる
- 間違えた問題の解き直しとその問題に印をつける
- 別の日に印がついている問題に挑戦(次の日とかだと覚えているので一週間後など期間を少し空けるのがおすすめ!)
- 苦手な問題・難しい問題は受験まで何周も繰り返し取り組む(青チャは1回解くだけじゃもったいない!何回も練習して定番の問題に慣れていこう)
②真 解法への道!—数学ⅠAⅡB
難関大学を目指している人にオススメの参考書です。私は学校の数学の先生がこの参考書を紹介していたことをきっかけに知り購入しました。数学ⅠAⅡBのみなので文系の人も理系の人も使えます!
- 使用時期
高校3年生夏頃〜 - オススメポイント
収録されている問題は多くはないですが、解説がとても丁寧で分かりやすいです。解説には問題の解き方だけでなくその解法を思いつくプロセスなども載っているので、数学の参考書を使っていてよくありがちな「なんでこの方法思いつくの?」という疑問も浮かびにくいと思います。また、紹介されている解法は他の問題でも応用できるようなものばかりなので問題数は少なくとも学びはとても多いです。 - 効果的な使い方
この問題集は1問1問じっくり取り組むのがおすすめです。上記の通り、問題数自体はさほど多くありません。1問解いてみた後に、正解していても不正解であっても解説を最初から読みましょう。たくさんの解法が紹介されているし、根本的なところからとても丁寧に解説が書いてあります。「なるほど」と思ったり「この解法は思いつかなかったな」となった時にはぜひそれを自分の問題を解いたノートにメモしておくと良いと思います。
以上、今回は私がおすすめしたい数学の参考書を紹介しました。何度も言いますが参考書は1冊繰り返し解くことが大切です。ぜひ参考にみてくださいね!
共通テストデザイン(STUDY PLANNERのすすめ)
(2023年4月3日に実施したOSD発の特別セミナーの内容を一部ご紹介いたします)
苦手を放置しない、向き合う
「共通テストまでまだまだ時間はある」と思っていると、夏休みには取り返しのつかない事態になります。英語リーディング・英語リスニング・数学①・数学②・国語〔現代文・古文・漢文〕・理科地歴公民3~4科目の全ての科目で、医学部・難関大を目指すならおおよそ85%の得点率を目指す必要があります。苦手科目や単元を放置したまま夏を迎えたら、苦手克服せぬままに共通テスト模試が本格的に始まる秋になってしまったら…
共通テストで高得点を確保するために大切な、日々の受験戦略を確認したいと思います。
- 計画(【To Do】を、毎朝決まった時間に書き出そう)
「今日は何をすればいいのか」を整理すること、優先順位を考えることが大切。一日の終わりに「あぁ!これもやるべきだったのに…」という忘れることを防ぐことも。 - 記録(【勉強時間】を10分単位で気持ちよく塗りつぶそう)
1科目1単元の勉強が終わった段階で時間枠を塗りつぶします。一日の終わりに合計時間を計算して、「こんなに私は頑張ったんだ!」と自信につながります。うまくいかなかった日は、「何となくダメ」ではなく、時間帯ごとに振り返って、無駄を削るために、やる気を上げるために、どんなことができただろうか?と、明日に活かせるような振り返りができるようになります。- おすすめは「STUDY PLANNER」
ちょっと大きめな文房具屋に行けば何種類も売っているはず。記入項目がたくさんあるものよりもシンプルなものがオススメ! 岡村さんは「2ヶ月後の記述模試でB判定をとる!」「実力テストは学年15位以内!」などの中期的で手が届きそうな数値目標を最初のページに記入し、細かな記入が要求されるページは使わずに、日々のページを丁寧に記入していたとのこと。毎日の記入項目は具体的には5つ!
✓1日の目標(自分を鼓舞するメッセージ)
“大事なのは時間より密度!”“犯すなら意味のあるミスを!”など、何でもいいから、一言書いて自分の気持ちを高めよう。ネガティブなことを書かないようにするのがミソです。
✓To Do(科目や単元・ツール・ページ数等の3点セット)
ページ数等まで書ければいいけど、このあたりは「いい加減さ」も大切。ざっくり一日で取り組むことを書き出す。「きょうは頑張るぞ!」という日はToDoは気持ち多めで。やり残しが出そうなら、「ちょっと張り切りすぎたかなぁ」と振り返って、昼休みにやるべき項目数や分量を調整してもいいでしょう。ここでも大切なのは、常にポジティブを心掛けることです。
✓10分刻みで勉強時間を塗りつぶす
勉強開始時刻をメモして、およその時間で塗りつぶしていく。単語学習など、すきま時間を有効活用できたときも、どんどん塗っていきましょう。
✓積極的に昼寝をした時間帯を記入
岡村さんのアドバイスで私(OSD代表)が唸ったポイントです。昼寝は必要なこと。脳を休めるために、スマホのアラームを15分後にセットして、バイブレーションで起きることができるように、スマホを抱きしめながら寝ていたとのこと。★自習室で昼寝したいときにスタッフに声をかけてくれれば、やさしく起こしにいきます。「16時までの昼寝推奨」がOSDのスタンスです。
✓1日の総勉強時間を記入
1日の振り返りが大切。「勉強は量より質」という主張もあるけれど、教科数の多い共通テストを戦い抜くためには「量の確保」が重要です。読みこまなければならない文章・情報量が理系科目でも大幅に増加しているので、すきま時間を積極的に集めて、学校や部活動のないお休みの日は自習室に朝から通って、勉強の絶対量を増やすことを目標にしてみるとよいですね。
- おすすめは「STUDY PLANNER」
- 丁寧(下書きから相手を意識し【型】を整えよう)
日頃の問題演習のときに「方針を立てるノート」と「答案用紙ノート」を2冊用意していたという岡村さん。高校1年生のころの模試の問題用紙には、すきまに落書きのように途中計算を書いていたのですが、高2に上がる頃には、模範解答のように美しい途中計算を書くように心がけていたのだとか。
岡村さんはこう言います。「実力テストや模試はいつも『時間との闘い』なので、最初の方は暗算したり、計算が複雑な部分だけざっと書き込んだり、グラフをちょこちょこ書いてみたりするのですが、途中で計算ミスをしたと気づいても、これまでのやり方だと、そのミスの原因を辿っていくことができませんでした… そこで『冷静に、丁寧に』を心掛けると、ケアレスミスがぐっと減り、偏差値がぐんぐん伸びていきました」
ここでいう【丁寧】とは、字を美しく書くことではありません。途中式はまっすぐ書く、数字は気持ち大きな字で書く、縦のラインを揃えて書く等の【型】にこだわってほしい、ということです。ふだんから【型】にこだわり、余裕が生まれてきたら、同時に【スピード】も意識していきましょう。ケアレスミスを減らすためには、日頃のノートから見直そうというのが岡村さんからのメッセージでした。
セミナーを終えて(岡村インストラクターより)
参加してくれたみなさんがしっかり耳を傾けて、疑問に思ったことを質問してくれて、とても嬉しかったです。
私が現役時代にしていたことが少しでもこれからの勉強のヒントになればと思い、いろいろとアドバイスさせてもらいました。しかし、今回紹介した方法が絶対に正しいわけではありません。みなさんが今回の話を聞いて、「自分にも有効活用できそうだ」と思ったことがあれば、取り入れてほしいという想いです。自分に合った方法を模索して頑張ってください!! 応援しています。