東大を受験する生徒の皆さん、東大をこれから目指す後輩諸君のために、「捨て問」にされがちな4(A)正誤判定で5分以内に満点を狙う視点をお伝えします。この記事のタイトルは「東大英語—4(A)正誤判定は英作文問題でもある(その2)」と題していますが、すべての難関大志望者のために自由英作文・和文英訳で高得点を取るためのヒントをお話しします。ポイントは【作文校正力; Composition Correction Check】です。
正誤判定は2019から5年連続の出題
2000年以降、不要語指摘問題、語句整序問題、品詞活用問題など様々な形式で受験生の文法力を測ってきた4(A)ですが、いまやもう文法問題とは言えません。読解問題でもあり英作文問題でもあり… 一朝一夕には満点が取れないパートに成長してきました。内容理解も求められる本格派の正誤判定問題は、全国の他の大学に類題は見当たりません。
OSDでは広い意味で類題として括れる上智大学(外国語学部ほか)や、私立医学部の入試問題、Scientific AmericanやThe Guardianなどの記事を参考に、東大対策の教材をご用意しています。4(A)和訳問題と同時に作文校正力(CCC)を鍛えられる教材もございます。
受験生の皆さんには、過去問と模試を大切に活用して、「東大英語の視点」を分析して自分なりに整理することをおすすめします。今回はOSDでふだんから受験生にお話ししている48の視点から基本的なものをご紹介します。
まずは現状確認をしよう
OSDのAD上級クラスの〔CCC48定着確認シリーズ〕からの一部抜粋です。東大受験間近の方は150秒以内、東大以外の難関大志望者は210秒以内、高2生以下の方は5分以内を目標に、以下の問題に挑戦してみましょう。構文把握や英文和訳の視点でも学びの多い素材です。
CCC48作文校正力と内容理解の両輪で
不要語指摘問題の2001年、2008年、2009年、2012年、2014年の5回の入試では「文脈上取り除くべき語」という文言が問題文に含まれました。2019年からの正誤問題では「段落(22)~(26)にはそれぞれ誤りがある」という問題文です。いずれも、「段落全体のメッセージを掴んで、不都合な部分があれば修正しなさい」ということ。東大英語の4(A)は単なる文法・語法問題ではありません。
2021年の最初の段落(21)で【いきなりネゲーション*】(*Negation; 否定)が出題されたのは前回の記事でもご紹介した通り。第1段落は文章全体の見通しを提示することがありますから、第1段落の否定語句もしくは評価形容詞がいずれ狙われるだろうと授業で話したことがありましたが、果たして見事に予想が的中したわけです。
その問題の下線部分だけ順に抜粋すると、followed by sheep and goats / made the leap / control savage beasts / keep as pets / had little to domesticate ourselves の5つです。最後の little から怪しいオーラを感じませんか? 東大受験生でこの怪しさを感じていないとすれば、過去問演習&分析が不足していると言わざるを得ません。
この【ネゲーションチューイ(否定表現に注意)】は、自由英作文や和文英訳でも言えることです。否定語一つ間違えれば、内容点がごっそりゼロになるリスクがあるからです。
さて、作文校正力チェック48項目(CCC48; Composition Correction Check)からいくつか抜粋します。すべての項目に自信をもって「はい、やっています/わかります」と答えられたら、立派な受験生です。
- 等位接続詞(and/or/but)が来たら,共通関係の構造確認と意味のズレの点検をしている
- It is warmer here than Japan. ―この文に違和感を覚える
- “はだかのthan”になっていないか,常に点検している
- Ving/p.p.の直前にあるbe動詞が,ダミー(削除すべき語)として提示される可能性を心得ている
- 分詞構文を見たら(書いたら),意味上の主語チェックを怠らない(能動or受動関係や主語のずれを確認している)
- S – Vの能動or受動関係を【名詞+後置修飾のVing/p.p.~】についても確認している
- 関係詞周辺の構文崩れを意識している(Those who discuss bitterly are kind indeed.は正しいか)
- 慣用表現に見せかけたパターンで構文が崩れる可能性があることを知っている
- 文脈的視点に立ち,否定語や否定ニュアンスを持つ形容詞の削除の必要性を検討している
チェックを終えたら、改めて上記の問題に挑戦してみてください。基礎がしっかり身についていれば、意識が変わるだけで全問正解になるはずです(現状確認の答え合わせはこの記事の最後に掲載しています)。
本記事に加えて、2022年6月に公開した「東大英語—4(A)正誤判定は英作文問題でもある(その1)」もあわせてご確認ください。▶コチラです。重複する部分もありますが、復習のつもりで読んでみてください。
現状確認の答え合わせ
段落(4) [d] → through objects and symbols that allow us to create(共通関係)
段落(5) [e] → by distant descendants digging around…(能動受動)
段落(6) [c] → with a clearer[better] understanding of(はだかのthan)
いずれも本番レベルよりも易しい問題です。段落(6)は英作文でのミスが非常に多い視点です。比較級が存在しないのにthan S’V’…を書いてしまう、ザンネンなザン、はだかのthanです。一度でもこの点で英作文の添削で指摘を受けたことがある方は、英作文の見直し項目にぜひ追加してください。
■CCC online session
作文校正力(CCC)の視点がご自身にあるのか、この記事で触れている4(B)類題を一緒に解いてみませんか。解答時間5分&フィードバック指導は個人差によりますが最大15分としましょう。他の大問や科目の勉強のことを考えると、これ以上の時間を割いてはいけませんね。
ふだんOSDに通う生徒さんへの指導を優先したいので、先着10名様、実施時間帯は平日の午前9-11時を原則とさせていただきます。気になる方は、お問合せページよりメールください(短時間で効率よくフィードバックさせていただくために、「お問い合わせ内容」欄に、冠模試の英語得点、最近の過去問演習などの4(A)の得点状況を数回分お知らせください)。昨年度もご利用いただいた方がいらっしゃいますので遠慮なくお声掛けくださいね。
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